偽りの結束
 夜も更け、私達は眠れずにいた。こんな状況で眠れるはずがない。黙っていると、隣りのテントから話し声が聞こえる。

 私はそーっとテントを出て、耳を澄ました。和美が何やら文句を言っている様な話し方をしている。


「……今日……さん……を殺し……たのは誰……なの?! 私……ない」


「俺……て今日……さん……殺し……ない」


「今日……さん……あい……らに……殺……れたの……も……ない」


 どうやら、今日子を殺したのは誰なのかと話しをしている。

 私達の事を疑っている様子だ。それはお互い様だから仕方ない。でも私はその会話に、違和感を感じた。

 テントに戻ると私はすぐ、可奈子とマジタニに、聞こえた会話を話したが、私達も彼等を疑う意見しか出てこず、違和感の正体は、結局掴めなかった。

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