偽りの結束
 全ての計画は二年前、俺が竹山彩と田中友彦を殺し、残った豚野郎六人に崖から突き落とされた事から始まった。

 悪運の強い俺は、意識を取り戻した時、見知らぬ海岸に流れ着いていた。それからの事はあまり覚えていないが、町の様な場所に辿り着き、ポケットに入っていたわずかな小銭で、一枚の宝くじを買った。そして、ホームレスの様に放浪し、拾った新聞で確認すると、何と三億円当たっていたのだ! 俺はシャクレたアゴを撫でながらニヤニヤした。あの時の喜びは忘れちゃいねぇ。

 六人に復讐する事だけを考えていた俺は、三億円を使って、実行する計画を立てた。

 まず始めに、探偵を雇い、あの六人に恨みを持つ人物を探させた。

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