主従関係
「コンコン。」

「会長、櫻庭君がお見えです。」

「通せ。」


ガチャとおさげの子が扉を開け、俺を中に促した。


部屋に入ると、奥に大きい机と立派な椅子があり、その椅子にどっかりと藤堂が妖艶な笑みを浮かべ座っていた。


藤堂の側には茶色の立派な巻き髪をし、唇にはピンクのグロスを塗った大人っぽい女生徒が立っていた。


副会長だよな…?


「よく来たな。」


ニヤリとからかうような笑みを向けた。


ムカッ。


「約束だからなっ。」


「で?俺は何すればいい訳?」


「お前にはこのとてつもなく忙しい生徒会の雑用をして貰う。」


「ああ。分かった。」

ギュと口を真一文字で結ぶ。


「知ってると思うが、副会長の椎屋沙織君。三年だ。」


藤堂が副会長の椎屋先輩を紹介してくれた。


「宜しくね。」


椎屋先輩は花のようにフワリと微笑んだ。


頭を下げ、宜しくお願いします。と言った。


「そっちの子は二年の高田紗英さんだ。」


藤堂が扉の側にいるおさげの子を紹介した。


「宜しく。」


と笑顔で言ったが、高田さんは

「どうも。」


と赤のフレームの眼鏡をクイッと上に上げただけで、興味なさそうだった。


…何か気難しそうだな。



「高田さん、三上を呼んで来てくれる?」


「はい。」


そう言うと、部屋から出て行き、暫くするとさっきのがり勉を連れて戻ってきた。
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