フレアップ!!上巻


俺の隣にいる荒太に目でサインをおくると、予定通り男子たちに想いを伝えることにした。



「みんな、話があるんだ」



案の定、無視された。誰も俺の声に耳をかさない。ひたすらに沈黙が続き、弁当と箸がすれる音がカチャカチャと響く。


なんと気まずい空気だろうか。
もっと弁当は楽しんで食べてほしい。



荒太の肩が俺に擦れたかと思うと、今度は荒太が一歩前に出て、呼びかける。


「俺からも話がある。みんな、少しだけでいいから聞いてくれないか?」
< 222 / 232 >

この作品をシェア

pagetop