失われた時を求めて

再開

彼女とぼく

只今テーブルに向かい合わせで正座中

彼女が紅茶に口をつけた

そして

「で?」

「えっ?」

「で?別れて欲しい。そういうことだよね?」

「………あ、…いや…なんだろっ君が好きなのは変わらないでもっ!“彼女”のことばっかりさっきから消えなくて…今も…」

最後の方になるにつれ、ぼくの口が回らなくなる。彼女の機嫌が悪くなった。ぼくがはっきりしないからだ。

ぼくはテーブルに出された冷めた紅茶に映るぼくを見つめながら

「…ごめん」

と一言いった

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