短編集<陰>
ぬるり、と群青色の何かが私の心に入り込んだ。

ああ、侵される。


「もうすぐ誕生日じゃん、何か欲しい物ある?てか、お祝いしようよ」

この、見え透いた誘惑が私の脳を刺激する。


その言葉は、本当は彼がくれるはずなのに


侵された脳は、正常な働きを、しない。







「今は、アンタみたいのが、欲しいかも」





今日、初めて奴に負けた。








fin
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