─ハウステンボスで逢いましょう─『ずっとアナタが好きでした』

「いらっしゃいませ」

と言ってレジを打ち

「ありがとうございました」と頭を下げる。


こうして数多く出会う人を、ただ、見送るだけの日々を過ごしている。



特別な事なんてあるはずがない。



自分が特別な人間にだって、慣れるはずがないことを



あたしは、ちゃんと分かっていた。



別に特別なものなんていらない。



ただ‥普通に、好きな人のそばにいたかっただけ。


ただ‥それだけだよ。




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