側にいる誰かへ
富塚の章

1.富塚

人生は自由だ。
俺はやりたいようにやるし、俺の前に立つ奴は全員シバキあげる。

俺は富塚聡志(とみつかさとし)。
17歳。
洛兆高校2年。

金髪にピアス。

座右の銘は「けんか上等」。

初めて俺は見た奴は、俺の事をただのチンピラと思うだろう。

だが、俺はそんなくだらねぇもんになるつもりはねぇ。


俺は俺にしかなれない俺自身になってみせる。

そこら辺のヤカラと一緒にすんなよ。

そんな俺の一番大事なものは「ダチ」だ。
ダチのためなら命だってくれてやる。

徹(とおる)、雅樹(まさき)。
こいつらとは特にうまがあう。

隣の高校に殴り込んだり。
ヤクザをボコボコにしたり。

ハチャメチャな毎日だ。


だがこいつらといると笑いが込み上げてくる。


心底笑えねぇ大人達より、よっぽど楽しい人生だ。


よく担任のセンコウが「将来の事を考えろ。」
とか言ってたっけ。

ふざけんな。
今をさしおいて、どうしろと?
先の事なんて知らねぇよ。

俺は今いるダチとバカをしている事が心底幸せなんだ。

こいつらに会えた事に本当に感謝している。

邪魔すんなよ。

だいいち、そんな大層な事を言う大人達ほど、中身が空っぽのくだらない奴ばかりだ。

そんなに偉くなりたいなら勝手になれば良い。

出世?

勝手にしてろ。

だいたいお前らに本当のダチはいるのか。

いないだろ。

お前らといても笑えない自分が想像できるから。

まあ良いさ。

俺はダチを何よりも大事にする。

ダチがあっての人生だ。

俺は大人になっても、そう言いきってみせる。

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