それでも君と、はじめての恋を


「……ん?」


何か用事?っていつもなら聞いてくるのに、あたしが首を傾げることになってしまった。


「うわ! ……何!?」


いつの間に席を立ったのか純があたしの肩を抱いてきて、やっぱり間近で見ると可愛いと感じる顔を近づけてくる。


「やぁっとテストが全部返却されたってのに、俺らと遊ばないで誰と遊ぶの渉ちゃ~ん」

「……は、はぁ?」


お疲れ会なら、もう葵と3人でやったじゃん。


意味が分からなくて純に顔が近いと言うのも忘れてしまう。


「うあ! ……何、葵まで!」


純の顔を見てると、今度は逆側から葵の顔がズイッと近付いてきた。


「あたしらより、そんなに遊びたいわけか。 桃井 寶と」


ふたりの顔が間近にあって、どちらの顔を見ればいいのか分からなくなる。


「な、何いきなり……てか、何、マジで。ふたりして……」


何で分かるの!?


ていうか、まだモモのこと誘ってないのに!
< 80 / 490 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop