それでも君と、はじめての恋を
「……ん?」
何か用事?っていつもなら聞いてくるのに、あたしが首を傾げることになってしまった。
「うわ! ……何!?」
いつの間に席を立ったのか純があたしの肩を抱いてきて、やっぱり間近で見ると可愛いと感じる顔を近づけてくる。
「やぁっとテストが全部返却されたってのに、俺らと遊ばないで誰と遊ぶの渉ちゃ~ん」
「……は、はぁ?」
お疲れ会なら、もう葵と3人でやったじゃん。
意味が分からなくて純に顔が近いと言うのも忘れてしまう。
「うあ! ……何、葵まで!」
純の顔を見てると、今度は逆側から葵の顔がズイッと近付いてきた。
「あたしらより、そんなに遊びたいわけか。 桃井 寶と」
ふたりの顔が間近にあって、どちらの顔を見ればいいのか分からなくなる。
「な、何いきなり……てか、何、マジで。ふたりして……」
何で分かるの!?
ていうか、まだモモのこと誘ってないのに!