それでも君と、はじめての恋を
ひとり焦るあたしは完全に置いてきぼりで、「座れば」という葵の声に渋々上げていた腰を下ろした。
決して座り心地がいいわけではないソファーが、やけに落ち着かない。
「あれのどこがいいわけ?」
純とモモがカウンターに向かったのを見てから、葵はあたしに向き直る。
「あれって……モモ?」
「奴しかいないじゃん。てか何、モモって」
「……あだ名」
小さい声で答えると、「ふーん」と無駄に威圧感を出しながら葵はジッと見つめてきた。
与え続けられるプレッシャーに負けじと眉根を寄せて、膝の上で拳を握る。
「……ふたりは、モモをどうしたいわけ?」
「さぁ、尋問?」
「いやだから何で!? 何のために!?」
「てか、いいじゃん。桃井だって了承したんだし」
尋問していいとは言ってないよね!
ケロッとする葵に呆然としていると、純とモモが戻ってくる。
とくに話すわけでもなく、純は「お待たせぇ~」といつも通りで、モモはテーブルにトレーを置いた。