お前じゃない
 久美子以外のメンバーは、社長が食堂で死んだ事もあり、ロビーのソファーに座り込んでいた。すると突然だいちゃんが立ち上がった。


「だいちゃん何処行くの?」


「キッチンからビール持ってくるよ」


 そして、だいちゃんと一緒にハルもキッチンに向かった。

 みんなの分もと思い、何本か抱えてロビーに戻る。

 みんなに渡すと、やはり飲まずにはいられない心境なのだろう。ロビーには、一斉にプルタブを開ける金属音が響いた。


「社長は何かの急病だったのかもしれないな」


「そうかな? 俺には即効性の毒か何かに見えたよ」


 ポッコリ殿がぽつりと発言すると、二宮だけが冷静に恐ろしい返答をした。

 場の雰囲気が凍りつき、それぞれが考えあぐねると、会話らしい会話も弾む事はなく、時間だけが経った。
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