クローバーの約束
“零がいい”?
「へ…?」
もう1回聞きなおすと、
呆れた顔で
「呼び方…」
とだけ言って、そっぽを向いた。
「あ、呼び方ね!うん!零ねっ」
と言って笑うと、
こっちを向いて
「…浮気すんなよ」
って言った真っ赤な顔が
あまりにも可愛いから、
「どうしよっかなー?」
ってフザけると、零く…改め零は、
あたしに甘くて優しいキスをしてくれた。
遊磨君と居ても感じられなかった、
ドキドキと
初めて好きな人の唇を知った
15歳の冬。
絶対、忘れない。