虹の都へ
Prologue
郵便ポストを開けると、一通の封筒が入っていた。

キレイな水色の封筒だった。

宛名を見た瞬間、あたしは泣きそうになった。

『須藤 虹』

その人は、あたしが忘れられない人。

あたしが、愛した人。

封筒を破って中を出すと、便せんが出てきた。

「――虹…」

愛した人の匂い。

愛した人の字。

懐かしくて、仕方がない。

愛した人の全てに、涙が出そうになる。

『瑞希へ

元気か?

俺は元気でやっている。

この前引き出しの整理をしていたら、お前と過ごした時の写真とあの時のペンダントが見つかった。

お前と別れて、もう2年になるんだな。
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