虹の都へ

秘密と事情

「わあっ…」

見た瞬間、あたしはそれしか言葉が出てこなかった。

すごい、としか表現のしようがなかった。

広いリビング。

カウンターつきのキッチンに椅子。

傷1つない白い壁。

ベランダ側で、向かいあわせになっている2つのドア。

リビングに面した大きな窓。

「気に入ったか?」

虹が聞いたので、あたしは首を縦に振ってうなずいた。

「本当に、すごいなって思う。

できたばっかでキレイだし、家賃もバカにならないだろうなって」

「家賃?」

虹がおかしそうに首を傾げて聞いてきた。

「やっぱり、高いのかなって」
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