虹の都へ

2年越しの真実

「――2年か…」

虹の手紙を読んで泣いた後で、あたしは呟いた。

あれから、もう2年が経っていた。

目の前にあるのは、我が家。

お母さんとあたしが住んでいた家。

虹と住んでいた家を出て行った後、あたしは実家で暮らし始めた。

実家から大学に通うのは結構つらいけど、決めたのはあたしだ。

別れても虹と一緒に住むのはおかしいから。

それに何より、虹の顔を見るのがつらいから。

「ペンダント、まだ持ってたんだ…」

2年前に買った、ハートのペンダント。

ハートが半分に割れるペンダント。
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