【中編】まさかの恋



すると湯田先輩は、はは……と笑った。




優しい。
でも読めない人だ。この人は。
そういう俺も、無表情だから読めないって言われるけど。




湯田先輩とボールを蹴りあって、アップをしていると俺は校舎の自分のクラスの窓に目が留まった。




……真姫。




見ると、サッカー部の練習を見ている真姫と胡桃の姿がある。




最近……俺はおかしい。
こうして真姫を見ると、何故か鼓動がうるさくて。




最近いつもあそこから真姫達はああやってサッカー部を見ている。
その理由は大体把握してる。
胡桃が湯田先輩目当てで見てるって事を。
あ?何で知ってるかって?
その理由も簡単。
胡桃が直接俺に言ってきたから。




『湯田先輩のメアド教えてって言って』




そう1回頼まれた事あったけど。
面倒臭いし。
断った。




胡桃と一緒にいる訳だし……。
真姫も湯田先輩目当てか?
いや……。
あいつは極度のファザコンだ。
どうせ、耀さんが今でも好きなんだろう。



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