幼なじみは狼くん?
「ここなら大丈夫ですね。」

誰もいない教室に入ると、桜はドアを閉めた。


「で?俺に話って何?」

そう聞くと桜は1回下を向いたがすぐに顔を上げた。


「単刀直入に言わせてもらいます。山本君は、桜庭さんの事が好きなんですか?」


俺は、その質問に動揺したが出来るだけ冷静を装った。


「理奈は、俺のお姉ちゃんみたいなものだよ。」


そう言うと桜は、ホッとした顔をした。


「なら安心です。桜庭さんにも同じ質問をしましたが、気になっていて…。私、山本君が好きです!!」


いきなりの告白に俺は目を開いた。


「え?ごめん…。俺、五十嵐さんの事ちゃんと知らないし…。」


「付き合うってお互いを知るために付き合うんですよね?問題無いですよ!じゃあ今日一緒に帰りませんか?いろいろ知ってもらいたいので…」


(帰りは理奈と約束してるのにな。)


俺が悩んでいるのも気にせずに桜が声をかけていた。


「私もバド部なので終わったら、行きますね。それじゃ~。」

そう言うと桜は教室から出て行った。


「マジかよ…」

俺はその場に座り込み、理奈にメールを送った。
< 75 / 96 >

この作品をシェア

pagetop