私の好きな彼女、私を愛した彼氏
私がミウとして存在を始めて３ヶ月弱が経った。
ハルを愛してる。
その感情だけが私の中のミウを動かす原動力であり存在理由そのもの。
日々願った。
ハルとずっと一緒にいたい…。
繋いだ手の暖かさに私の前髪をかき分けては愛しそうに微笑みキスをしてくれる事。
知れば知るほどハルへの想いは深まって行く。

｢ちょっと、アキ?話聞いてる?｣
｢ぁっ…う、うん聞いてるよ。｣

――自制心が効かなくなっている自分がいた。
ピンと張り詰めた糸の上を歩くみたいに私の精神は崩壊寸前で…。

ハルが望むなら私は喜んで全てを捧げよう。
命尽きるまで貴方だけを愛して、何もかもを捨てる覚悟がある。
だから…。


｢じゃ。また明日8時にね。｣
｢ぇっ?!｣

一瞬意識が飛んだみたいだ。
アカネの言葉の意味を理解するのに数秒かかり私の動作に誤差が生じる。

｢ぁ…うん。また、明日ね。｣

精一杯の笑顔だった。
幸せな日々の中に生じた違和感。
その正体が解りそうで解らず私は言い知れぬ不安に駆られていた。

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表紙・目次

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