絶対に振り向かせる
 クラス振り分け表を手提げ鞄にしまい、右上に付いている時計を見た。
 現時刻は九時。開始は十分であり、暫く暇な時間を過ごした。
 天井を見つめていた時、チャイムが鳴った。式開始の合図だ。僕は慌てて視線を前に向けた。
『先ずはじめに、校長先生からの挨拶です』
 マイクを通じて、その様な声が聞こえた。
 校長の挨拶は何時も長いものだ、と僕は思い、少しおかしくなり、微笑した。隣の女子が不思議そうに僕を見つめたが、そんな事は気にせず校長に視線を移した。
< 3 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop