現実RPG2
「……よし」


しぶしぶ、拓馬へ薬草を投げるルイ。


拓馬は薬草を慌てて拾うと、クロの口に優しく押し込んだ。


「……」


動かない。やっぱり、ダメか……。


そう思った、次の瞬間だった。


「クーン」


クロは数回瞬きをすると、拓馬の頬をペロペロと舐めた。


「クロ……」


満面の笑みでクロを抱きしめる拓馬。


「拓馬……その犬が、どれだけ大事か知らないが……これからも、足手まといになりうるぞ」


「だからって、捨ててくわけにはいかねぇんだよ。こんなモンスターばっかの土地に」


「それはそうかもしれねぇけど……」


「とにかく、お前が来てくれなかったら死んでた。ありがとう」


ここは素直に礼を言う拓馬。


「犬を助けたら、俺を信じる……確かに、そう言ったな?」


「あ、ああ」


「じゃあ、これからは行動を共にしよう。まず、ゲームをクリアする」


「それから?」


「クリアすると、モンスターがいなくなる。その方が動きやすい。組織に突入して、ボスを討つ」


「クリア条件は……やっぱ、ルカを殺すことか?」


「いや、ルカは組織の人間だ。このゲームのシナリオとは関係ねぇ。クリア条件は、魔獣『マーダー』を倒すこと」
< 92 / 129 >

この作品をシェア

pagetop