現実RPG2
しかし、それはない。


もしあのときから魔法の記憶が残っているのなら、1章でのピンチの数々に魔法を使ったはずだ。


それなのに、拓馬が魔法を使ったのは俺にだけ。


つまり、最後の最後で少し記憶が戻った。


だから、あの時点では記憶はない。


死と直面したとき、無意識に光魔法を出したのか?しかし、そんな都合よく……。


拓馬、一体どの程度まで記憶が戻っているんだ。


そのとき、ルイの腕時計が音を立てた。


「チッ……」


目尻を歪め、舌打ちするルイ。


腕のレーダーには、前方に一つの黒い点が表示されている。


「どうしたんだよ?」


拓馬がその様子に気づき、ルイに問いかける。


「ルカだ。ルカの奴が、先回りしやがった。俺たちをマーダーのところへ行かせないつもりだ」


「回り道すればいいだろうが。ここは日本だぞ、道なんて無数にあるだろ」


「馬鹿言ってんじゃねぇ。俺たちが回り道するのを、ルカが黙って見てるとでも思うのか?あいつも、俺と同じレーダーを持ってるんだぞ」


「じゃあ、やっぱり……ルカを倒さないと、進めねぇってことか?」


「いや……拓馬、お前だけ回り道をするなら何とかなるかもしれない。お前の姿は、ルカのレーダーには映ってないはずだ。俺がルカの囮になる」


「そんなこと言ったって……俺一人で、その……マーダーって奴を倒せるのかよ?」
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