Dangereuses hospital
chapter1
自分のデスクに座り、時折右目に覆い被さった鬱陶しい前髪を掻き分けながらパソコンのマウスをクリックする。

髪を切りに行く暇もない。

毎日毎日パソコンのモニタと睨めっこの日々。

数年間の訓練を終え、外事四課に配属されてからの俺の仕事は、もっぱらこのモニタとの睨めっこだった。

モニタに映し出されるのは、世界各国の情報機関…CIA、FBI、MI6といった組織から送られてきた国際的テロリストの顔写真とプロフィール。

俺の最初の仕事は、百人一首よろしく顔写真を見ただけで、そのテロリストの詳細なプロフィールを空で言えるようになるまで完全暗記する事だった。

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