Dangereuses hospital
chapter5
朝霧の名前を前に、俺は硬直する。

『クールにつとめろ』

六道さんの言葉が脳裏を掠めるものの、冷静さを保ってはいられなかった。

高校在学中に、逃げるようにして自主退学してしまった元クラスメイト。

以降の所在は杳として知れず、ただ、心の病を患い、入院したとだけ聞かされていた。

当時高校生だった俺には、朝霧の所在を調べる事もできず、また調べた所で彼女の支えになってやる事も出来ず、ただハルカと共に、彼女の回復を祈る事しかできなかった。

そんな朝霧が、よりにもよってこんな…武装グループの占拠する病院にいたとは…。

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