有名男子・秘密彼氏
『悪かった』


要は確かにそう言った。


そして

『大っ嫌い』


私は確かにそう言った。

その言葉は確かに要に聞こえていたはず…

要は確かに私のことを『こんな奴』そう言ったけど…

私の『大っ嫌い』に比べたら可愛いものだ。

…私…なんて事言っちゃったんだろ。

口に出して、本人に聞こえちゃうなんて。


それに要が原因だけど…私を傷付けたのはあの子達なのに、謝ってくれた。


それなのに私はきっと要を傷付けた。



…いくら嫌いだからって…

私…最低。


私のが…嫌な奴だよ。



私は流れそうになる涙を唇を噛んで必死に我慢した。

そしてまた強く掌を握り締める。



それでも罪悪感や後悔ややりきれない思いが、止まることなく溢れてくる。
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