呪 い サ イ ト
 放課後がやっときた。どんな日よりも授業が長かったような気がする。
 こんなにも待ちわびていたということは、心のどこかであのサイトを信じていたからなのかもしれない。


「夏紀ー! 今日はオフなの。一緒に帰ろ!」


「よかったわね! 帰りましょ」


 ウチは真里は違う部活のため、中々いつも一緒に下校できない。だが今日は休みらしい。
 ウチのテニス部は色々あって、今は謹慎中で部活動はない。
 梓も違う部活で、いつも一緒に下校することはない。むしろしたくもなかった。

 谷村の様子が気になり、辺りを見回すが―――いない。高井もいなかった。二人は一緒に下校しているのだろう。

 丁度校門をくぐり、学校を出て、家の方へ―――右に曲がった時だった。


「あ、夏紀。今日遊ぼー」


 部活がない日ぐらいしか遊ぶことはできないため、よくこうして誘ってきてくれる。


「うん、遊ぼう。真里ん家がい―――……」


 キキ――――――ッ!!!

 ウチの声は車の急ブレーキの音によって、掻き消された。何事かと思い、ウチと真里が振り向くのと、


「ぎゃああああああああああっ!!」


「きゃああああああああああっ!!」


 という耳を劈くような凄まじい、二人の悲鳴が重なって聞こえたのは同時だった。
< 20 / 210 >

この作品をシェア

pagetop