好きだからこそ


「何でだよ……何で……何でなんだよっ!!朽美っ!!(くちひ)」



雪の日。最後の日。
人間と魔物の全面戦争が起こった

仕掛けたのは人間側で、私達魔物側はもう…半分が全滅状態だった…。



「それは私の台詞。何で人間は、私達魔物を襲ったの?」



声が掠れそうになる。
それでも冷静を保とうと私は息を整え声を放つ



「それは………それは、俺にも解らない。国の決定で……。でもっ!お前まで人を殺す事は無かっただろう!!」



…そう。私は人を殺した

目の前で私の母を殺したその人間を、何の感情も無しに気づいたら殺していたのだ。


その最悪な状況を、瞬間を、貴方に見られてしまったのだったね?



「約束しただろ!?俺らは国のようにならない。
人間だから殺す、魔物だから殺す。
そう言うのをしないって、決めただろ!?…何で…お前は……」



「じゃあ、光希(こうき)なら殺さなかった!?
目の前で…目の前で実の母親を殺されても、その殺した相手を殺そうとはしないの!?」



言い訳だ…。

私の心に“憎み”なんて無かった。ただ身体が勝手に動いたの。


殺さなきゃって…



思ったの。


「朽美……俺は…」




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