神々と世界の狭間で
9 そして少女は扉を開く
ハァ、ハァ、ハァ、ハァ。

息が切れる。喉が暑い。

一歩、一歩、足を出す度に地を噛み締める音が脳髄まで響いてくる。

たどり着いたのは一橋研究所の屋上。

俺の手には先生の携帯が握られている。

「レラっ。」

一週間。それがレラがいなくなっていた期間だ。

レラは屋上の上に静かに佇んでいる。

まるで一枚の絵画の様に、青い空を背景にして、髪を静かに揺らしながら、こっちを見ながらニッコリと微笑んでいた。

「私はね、あの子達の…私達の神様になるの。

あの子達が信じてくれれば私は神様になれる。

世界は分かれてしまったの。

私が生まれた瞬間、世界は二つに…。

神様を持つ人と神様を持たないクローンと…。

今、世界には新しい神様が必要なんだよ。

クローンの神様が…。」
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