《短編》聖なる夜に
決断
「ど、ど、ど、どーしよう…。」


冷静に考えれば考えるほど、あたしはパニックで。


そんなあたしに、相変わらずミチは白い目を向ける。



『…迷ってるってことは、気持ちが傾いてるの?』



そんなの、自分だってわかんない。


わかんないから、悩んでるんだ。



今日は、イブのイブ。


つまり、クリスマスイブの前日で、ついでに天皇誕生日。


学校は休みだから、朝からミチの家に来てる。


そして、こんな会話を繰りを繰り返すこと早数時間。


いつまで経っても答えは出ない。


そんなあたしに、いい加減ミチもキレたらしく。



『あんたねぇ、あたしの貴重な休みをそんなくだらないことで潰さないでよ!!』


「…くだらないって、そんなぁ…。」



だけど、ごもっともだ。


あたしが逆の立場だったらきっと、同じようにキレるに違いない。



『…だったら、さっさとエイジ先輩と別れて、近藤ってのと付き合いなよ!』


「…いや、でも…」


『もー、うるさい!!
グチグチ言うなら、近藤を振れ!』



何でそんなに、簡単に言えるんだろう。


いや、きっと他人事だからだ。



『…ねぇ、だったら、エイジ先輩に電話して聞いてみれば?
そこでまたいつも通り冷たく言うようだったら、亜紀のこと考えてない証拠なんだし、諦められると思わない?』


「―――ッ!」



“言うは易し”とは、まさにこのことだ。


だけどもぉ、こんなの終わりにしなきゃいけないんだ。


付き合ってるのかいないのかの関係も、もぉ苦しすぎる。


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