《短編》聖なる夜に
『…良いじゃん。
明日から冬休みだし。』



そーゆー問題じゃない!!


出ていた涙は引き返すように乾き、代わりに恥ずかしくて泣きそうだ。



「…あたしもぉ、お嫁に行けない…。」


『…じゃあ、俺がもらってやるよ。』


「…ハイハイ。
って、えぇ?!」



だけどエイジの顔は、真剣そのもので。


あたしは、大きなため息をついた。



「…いらないよ、こんなの。」


呟くあたしに、エイジは大爆笑のようだ。


そしてひとしきり笑った後、顔を上げてあたしの瞳を捕らえた。



『…てか、そんなことの前に今晩のこと考えたら?』


「―――ッ!」



ボンッ!


再び思い出したあたしの効果音は、まさにこれ以外にない。


ニヤリと笑うその顔は、相変わらず綺麗で格好良くて。


悔しくなるほど、何も言えない。



「もぉ嫌ー!!
絶対別れてやるー!!」


『…ハイ、却下。』


叫ぶあたしを、エイジは一刀両断にする。



別れたい。


いや、別れるんだと誓ったクリスマスイブ。


あたしはこの男と、別れられなくなってしまった。










END


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