ゆずいろ
「…照れるな。」
涼は耳を掻いた。
涼は照れると耳を掻く。私が見つけた涼の一面。
「授業中、思い出したら、俺無理だわ。」
とか言って、私の頭をなでる。
しばらく、話した後、朝のHRが始まるので教室に戻った。
「りょっっちあん!!!」
涼に甘える声。そうこれは、松田鮎美。
いつも涼に勉強を聞きにくるぶりっこ女。
違うクラスなのに来るなんて……腹立たしい。
でも涼は優しく勉強を教える。
………涼は本当に優しいんだから。