鋭く甘い視線の先の獲物
「…昔の男がらみの任務の件だが」
「……この前の任務?」
この前、私が屋敷へ潜入して暴行犯を捕まえた時の話し?
「あん時…よく頑張ったな」
「………え…」
色男はいつもと違う穏やかな笑顔を見せて優しく言葉を発した。
いつもの色男じゃない…?
なんか…調子狂っちゃうわ。
「…それだけだ」
「…お、おやすみ…なさい」
色男は部屋を出て行った。
静まりかえる部屋の中、私はただただ男が出て行ったドアを見つめた。