ランク国物語
 「ランク・タガール・ナーバ・ガルボ!殺されたいの?」
 「申し訳ございませんでした!」タガールは涙目になって間髪入れずに謝った。
 「分かればよろしい。」
 「あの〜それでスターツ?君からの報告はなんて?」
 「…ランス・リードからのようです。読み上げます。現在の国民の様子は、国が占領された者、した者の間で差別・対立が発生しております。どうか早急に対応して頂きたく、僭越ながらも陛下への報告書の中に紛れ込ましました。どうかこの無礼を陛下の寛大なる心でお許し頂きたい。お許しを頂ければさらに国民の現状を調べ、ご報告致します。乱文失礼しました。」
 「2ndネーム。市民上がりの兵士からか。やっぱとげあるな〜」
 「そうですか?よく働く良い青年ですよ。今では私の右腕として活動してくれてますよ。」
 「そりゃあそうだろうけど…やっぱりな〜。まだまだ未熟者ですから。」
 「では、早く一人前になってくださいね。」
 「あう…。はい。」そして、スターツの報告は終了し部屋から出ていった。
  ここはランク国とサザークル国の国境付近で、やや高原にあたる所である。所々木が生えているが、概ね人と同じぐらいの高さである。ランク国最北端であるこの地方を、ランク国がベルカント城で統治していたが、サザークル国が攻め込み、うばわれ、城主と一部の側近と民は逃げのびた。サザークル国はこの城を侵略の拠点として使っていた。この城の近くにある城は、三つあり、南東の方角にある城をサース城と言い、スターツ・サース・ダージリンの父親である。レント・サース・ダージリンが治めている。馬で二日かかる距離にある。二つめは、南の方角にある城をザント城と言い、ルース・ザント・ベーカーと言う女性が治めている。馬で一日かかる距離にある。三つめは、南西の方角にある城をリフレント城と言いエレジー・リフレント・ナックと言う女性が治めている。馬では五日かかる距離にある。しかし直線距離ならばどの城よりも近い。ベルカント城とリフレント城の間には、大河が流れており、陸路では遠回りしなくてはならない。けれど、大河を船で渡れさえすれば、半日で着く事が出来る。ただし、流れが早くかつ、氾濫する事もしばしばある大河なので渡れる可能性はほぼない。
< 2 / 39 >

この作品をシェア

pagetop