ランク国物語
最終章 それぞれの道
  レン城での戦いが終わってから五年が過ぎた。早かったような遅かったような毎日でした。それだけの時間をかけている今の世は平和になっているはずです。私が暇なんだから、きっと。私が知る限りの皆の近況は、エレジーは戻ってから一層発明に没頭しています。今までに上申してきた発明品が五百になり、最近では週一で届きます。書類上で処理できても、実験が追い付かないのが現状でランスが付きっきりで、面倒事を流す相手がいなくて困ってます…。
 ダン卿は現役生活に終止符を打って、発明品の材料集めに燃えているそうです。
 ラックは国王不在にするわけにはいかないって事で国王になってもらおうと説得してみたけど、ラードと一緒にそのまま旅に出ていったきり音信不通で、どこで何しているんだかわかりません。まぁ〜簡単には死なないはずなんでどこかで楽しく過ごしているんだろうと思います。
 フェイは今まで通り遠くから見守り続けるとか言って、何の連絡もありません。ちゃんと食べられているのか心配です。
 そして最後に私は…国王になってしまいました。仕事は今までとほとんど変わらず…!あんたどんだけサボってたんですか!帰って来たら私の秘書としてこき使ってあげますね。誰一人あなたの事を話そうとしていないですが、会いたがっているんじゃないかっと私は思います。いつか会える日を楽しみにしています。
             byスターツ


 手紙を三つ折りにし封筒の中に入れ、封をした。封筒には“タガールへ”と小さく書かれていた。いつの日にか読まれることを信じて…。
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