命の贈り物
「う……ん……。」
ああ、温かい。
ぬくもりが、伝わってくる。
ベッドの横の椅子で、気付けば私は眠ってしまっていたのだろう。
窓の外は、暗い。
温かい、大きな手が、私の頭を撫でる。
「涼……。」
「悪かった……な。」
「ううん。私がいけないの……。涼、頑張ったね。それから……。」
それから。
「孝志も。」
「そうだな……。ありがと。」
「じゃあ、私帰るね。」
私は椅子から立ち上がる。
「早く、また一緒に学校に行こ。」
「……あぁ。」
そう言って微笑んだ涼の後ろで、孝志も笑っているかのようだった。
「また明日。」
その言葉を発することが出来る、私は幸せを感じ、部屋をあとにした。
そう、当たり前だった、明日も明後日も涼に会えるという日常がまた、当たり前へと戻っていくんだ。
だけど、その言葉は。
一つの気休めだったのかも……しれない。
二度と、会えないなんて、嫌だから……。