愛羅武勇×総長様Ⅰ

―ガラッ…

何も考えずにドアを開けちゃったから、みんなの視線を集めてしまった。

「中原、随分と遅い登校だな。」

「あ、はは…、人助けしてました!」

「美憂が人助け?有り得ねぇ!」

「うわっ、失礼なやつ!」

笑いながらあたしをバカにしてくるのは、クラスメートの篠原海斗。

「……まぁいい、席付け。今日は転校生が来てるんだが…」

えっ?

まさかまさかの……

「転校早々に遅刻か…全く、仕方ないな。」


―ガラッ…

え、何このイヤな感じ…。

「おぉ、来たか。」

こんな生徒受け持ちたい先生なんてきっといない。世界中探したって、きっとみんな断るはず。


「自己紹…ガァンッ…介を…………」

先生が自己紹介と言う前に、不良たちはドアを閉め、出て行った。

さっき見たばかりの金髪と、オレンジ色の髪とピンクメッシュの不良達。

………怖いです。


「せ、先生……今のは…?」

と1人の生徒が聞く。

「あぁ……転校生だ…。」

一瞬空気が固まった。

シーン…となって……

「……み、見た目はちょっとハデだったけど、みんな良いやつそうだなっ!」

その空気をなんとかしようと、ムードメーカーの海斗が頑張っている。

……………どこらへんが?

バリバリ悪い人オーラだしてましたよ?

< 3 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop