愛羅武勇×総長様Ⅰ

「あっ!槙ーーっ!」

後ろで遼が叫んでいるが、槙は完璧に無視だ。

「美憂、白龍と龍泉って今どうなってんだ?」

「一旦休戦とか言ってたよ。」

「一旦休戦か…。っつーことは…」

「うーん」と唸って、「これから大変だな。」と一言そう言った。

「何が大変なの?」

「いや、まぁ厄介なのがいんだよ。美憂も気を付けろよ?」

厄介なの?変わった人がいるのかな…?

大ちゃんも真剣だったし。

数分沈黙が続き、白龍の倉庫が見えてきた。


「着いたぞ。」

「あ、うん。ありがとね」

「おう、大智のとこ行こうぜ。」

そーっと入るも、白龍のメンバーは槙に気付いてしまった。

ゆっくりと、槙の周りを囲んでいく白龍のメンバー。



「今休戦中だぞ。」

後ろから聞こえた声。

そう聞こえた途端に、槙の周りの人だかりが消えていく。


「あれ、意外と早かったな。」

「まぁな、無理やり乗ってきたし。」

今、あたしの前に立っているのは恋汰だ。

「恋汰、遼は?」

「あぁ、もうすぐ来ると思うよ。」

「よく遼の後ろに乗れたな。」

「うん、脅したから。」

「………えっ!?」

今サラッと凄いこと言ったね…

大ちゃんでさえ逆らえない遼を脅すとは………恋汰ってば遼並に腹黒なんだ。

「どうやって脅したの?」

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