愛羅武勇×総長様Ⅰ

「……転校生なの?」

「さぁ、分かんねぇ。でも、歓迎するような相手じゃねぇからな。」

「双子なのに転校生かも分かんないの?」

「何年も話してねぇし。今どこに住んでんのかも分かんねぇからさ。」

そんなに複雑な家庭環境で育ったの…!?

あぁ、でもそんな状況で育ったならあの性格にも納得出来るかも……


「あ、そういえば槙来たの?」

「いや、来てねぇ。遼も先に倉庫行ってるって。」

「そうなんだ、で……今どこに向かってるの?」

「龍泉の倉庫。」

「何で?」

「何でも。」

授業受けるのもめんどくさいから、別に問題はないけど、お弁当どうしよう……

折角作ってきたのにな…


「あっ、カバン!」

「持ってきた。」

斎藤君が居ても居なくても、どっちにしろサボるつもりだったんじゃない。

「ねぇ大ちゃん、斎藤君さ、悪い人そうには見えなかったんだけど。」

さっきから、気になっていたことを聞いてみた。大ちゃんの兄弟にしては、普通すぎる外見だったから。


「見た目だけな。つーか、あいつが黒髪とかありえねぇ。カツラじゃねぇの?どうでもいいけど。」

「そうなの?」

< 96 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop