かんのれあ
一章 出会い
「こんなんダメダメ、ボツ!」



あたしの携帯から、投げやりな男性の声が漏れる。


この言葉、何度浴びせられただろう。


あたしが"かんのれあ"というペンネームで新人賞で佳作を受賞し、デビューしてから二年、

打ち合わせのたびにこんな調子が続いている。
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