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アンラッキーな男



違う、僕は犯罪者じゃない!!!



なのに、
どうして
こういう時に
限って
警察官と
目を合わせて
しまうのだろう…










彼らはプロだ



怪しいか
怪しくないか



目を見れば
すぐに分かるだろう…











まるで
ヘビに睨まれた
カエルのような
気持ちだった…











だが、
ぼくは
ラッキーだった



一瞬目が合ったのに警察官は、また目をそらして他の通行人を見ている



その隙にスルリと、警察官の脇を通り過ぎた…







やった…



やったぞ!



…なんだか
自信が湧いてきた







警察など



怖くない!!











ぼくは
自分の幸運に
感謝し
家へと急いだ…


























だが、
本当に…



ぼくは
ラッキーだったのだろうか…?











むしろ
逆に物凄く
【アンラッキー】だったのではないだろうか…











あの時点で
警察に声をかけられていれば



少なくとも
【あんなこと】には
ならなかったと思う…







【選ばれる】ことは
なかったし
【渡る】こともなかった…



【呪われる】ことも
【爆発する】ことも
なかったはずだ……



僕が行かなければ、誰も死ぬことは
なかったかもしれない



もし
あの最悪な事態を
防げなかったとしても



ぼく自身
あの場所には
行かなかったはずだ…



そうすれば…







そうすれば…







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