【完】スマイリー☆症候群



「じゃあ、これで決まりね! ふふ、どんな反応が返ってくるか楽しみだなー」

「クク、宮永って意外と黒いな」

「えーそうかな〜?」


なんてニヤリと述べる清水くんを見て笑いながら、私は2人のお土産をそっとカゴの中に入れた。


「んー、次はお母さんとお父さ……「あ、あのさ……宮永」

「へ、何?」


視線を移そうとしたその時。

急に名前を呼ばれ、私は咄嗟に答える。

そして、清水くんの唇は徐々に開かれた。


「俺等も……今日の記念に、お、お揃いのストラップとか……買わねぇ?」


小さく頭を掻きながら、清水くんは俯き加減で私を見る。

普段よりほんのりと赤くなったように感じる、彼の言葉。


「うん、いいよ」


考えるより先に、言葉が出た。

お揃いのストラップ。

女の子なら誰だって、仲の良い子と揃えて持ちたいと思うだろう。

でも、今日はちょっといつもと違った。

……私、緊張してる。

だって今まで、女の子としかこういうことをしたことがなかったから。
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