すたんだっぷ!!
教室に戻ると、やけに騒がしい声が響いていた。
ガラッ、ドアを開けるとなんだか人だかりが出来ていて、みんな何か必死に訴えている。
たぶんうちらが女子で一番最後のグループだったから、今、話が全く見えていない。
4人それぞれ互いの顔を見合わせ「どしたんだろ?」と不思議に思っていた時・・・
「えっ大丈夫なの!?」
「てか、うちら全然知らなくてっ・・・」
思い思いが募った言葉が飛び交う。一体どうしたというのか。
答えは、輪の中心に居た本人が直接教えてくれた。
「んなーに、みんな大ジョブよん。ぜーんぜん大したことないっちゃ!」
みんなに埋もれて、みーちゃんの顔が全く見えないけど、絶対いま"いつものように"あの満面の笑顔だって分かった。
「前からちとね、古傷みたいなもんだから。少し足首捻った程度だし。大丈夫、大丈夫!」
足首・・・そういえば、最後の決勝のとき、なんか右足気にしてたような気がする。
「ほーらっ、みんな早く着替えちゃわないと、男子待たせちゃうべー?いくら草食揃いだとはいえ、このくそ寒いなか待たせちゃカワイそーよん♪ヤツラが帰ってくる前に着替えちまおうぜぃ!」
たぶん、これ以上話膨らませないようにみーちゃんなりの配慮。
あんまり心配させたくないんだろうな。あたしらが、なんか出来るわけでもないし。
それを一番理解してるのは、やっぱり・・・
「そうそう、ぱっぱと着替えて、たまには早くハウスに入らせてあげよー(笑)うちらいっつも占領しきってるしねぇー」
男子「犬」扱い・・・でも、里香ちゃんの差しのべた手はなんだかすっごく温かかった。
その後、みんなも落ち着いて、昼飯タイムへと突入。
みーちゃんのお弁当グループは今日もクラスで一番賑やかだ。
それを見たら、すこしだけほっとした。