伝えたい。君に。
「結城。」あたしは結城を呼んだ。
しらーっとした顔なんかしちゃって。まぁいいんだけど。
「あのさ…別れよ。」
あたしはそれしか言えなかった。



しばらくして。
「…何で。」
「もうやなんだ。友達の方が楽だし。それに…」
あたしは大きく息を吸って、言った。
「不倫するような男なんかとつきあいたくないから。」
結城はびっくりした顔で言った。
「ちょっ…待てよ。不倫なんかしてねぇって。」
…嘘つき…。
「とにかく無理。じゃ。」
「おい!何だよそれ!」
「何だよじゃないわよ!どんだけ傷ついたか!どれだけ泣いたか!しかもあたしはこの目でちゃんと見たの!それをはぐらかすって何?!最低!バカ!」
男バス部員が今やみんな注目。
「別れたくない…。憂。違うんだよ。」
「聞きたくない。」
あたしは震えた声でいった。
「バカ」

そしてあたしはカバンをつかんで体育館を出ていった。 
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