あ い た く



指先に触れた髪の毛が余りにもサラサラしていて"ドキリ"としてしまった




「甘い香りがすると思ったらコレだったんですね」




心臓の音が聞こえないように言葉を紡ぐ





「あっこっちにも」



髪の毛についた薄ピンク色の花を取る間



彼はただ黙って俯いていた




「これで最後かな…」


この言葉を合図に彼の視線が足元から上がり






―――視線が絡んだ



あ…この人の瞳





ミントグリーンだぁ




澄んだビー玉みたいな瞳から視線を逸らせないでいた


< 12 / 92 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop