あ い た く

胸に抱くアネモネ




「……ん?」


目を覚ますと窓の外からは柔らかな陽の光


指先を動かして横を確かめると流生さんの姿はなく


シーツは冷えていた




「流生さん?」


身体を起こすときちんとルームウェアを着ていた




手紙も何もない


まるで最初からカレなど来ていなかった様に…




「夢…?」



ベッドから身体を起こすと下半身に走る鈍い痛み



「じゃないよね」



自分の躰に刻まれた流生さんの痕


お腹に手を置いて"痛み"に少し安堵した


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