きっと、救えるよね。。

一つの勝負が終わろうとしていた。

約8時間が経過し、母は無事手術を終えた。

手術室の前に何度足を運んだか?

わからないくらいでした。
ひんやりとした廊下、手術室の前の静けさ、もう二度とあんな思いはしたくない、思い出したくないのが本音です。

待合室に戻ると、しばらくたって、母がベッドに横たわりながら、目を瞑ったまま、頭には色んな管が繋がっていました。

お母さん、お疲れ様、頑張ったね。

っと、心でつぶやきました。。

集中治療室に母は運ばれ、まだまだ安心出来ない状態だと先生から言われていたので、不安でたまりませんでした。

面会は少しだけでした。

母は、沢山の装置や点滴や酸素ボンベや、麻酔により眠った状態は続いたのです。
変わり果てた母の姿を見ているのがとても辛くて辛くて。。
体が震えてしまっていたように思います。

先生や看護師さんに挨拶をし、ひとまず自分達も体を休める為に、それぞれ自宅に帰ったのです。

一つの闘いが…

お母さん、必ず無事目を覚ましてや。。

意識戻してね。。

次の日も、明くる日も、足を運び、面会に行く度に、母の苦しむ姿を見るのが辛くて、怖くて、扉を開けるのが怖くて、看護師さんに横についてもらいながらの面会が普通になっていました。

いつきても、母は眠っていました。

しかし、両手をベッドの柵に紐で結ばれていた時期もあったのです。

その理由は、頭についている管を無意識に抜いてしまわないように、結ばなければ、命に関わるとのことでした。

病院からご理解下さいとの説明がありました。

見ていても、いたたまれない気持ちでした。

訳あってのこと。

命を守る為のこと。

複雑でした。

苦しいよ。大好きなお母さん。大切なお母さん。

苦しいのは、お母さんだよね。涙が止まらない。

何で。こんなことに。。

私は。不幸な人間だと、悲劇のヒロインになったかのように。。心が折れていった。
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