きっと、救えるよね。。

来るべき時が近づいてきた。

だけど…。

お父さんは、食事を取ろうとしていた。

ほとんど食べられないのに。
母と二人の時間を過ごしたかったようです。

私は、残りの時間を自由にさせて挙げようと思った。
兄も、いきなりのことで、一日で、胃を痛めてしまったようでした。

母は、強いと感じた。いきなり過ぎて、どう受けとめてよいのか?わからなくなっていたようでした。

入院して四日目なのに、父は、もう呼吸はとても荒くて、横になっても、ベットを起こしても苦しいのです。見ているのが辛くて辛くて。

そして、呼吸もまともに出来ないのに、父は私の前で、元気に会話をしようとするのです。

数日後に、父と母は自宅の近くの会場で、音楽のコンサートがあるらしく、夫婦で、その日を楽しみにしていたと聞いていました。

父は一生懸命 必死にこう言ったのです。

あっ!くそ!何でこんな体になるんや!

コンサート楽しみにしていたのに。

以前入院した時の倍苦しいし、しんどいっと初めて私に言ったのです。

悔しい。何でなんや…。

何でなんや…。

父は若い時から音楽やギターがとても大好きだったのです。

本当に悔しそうでした。

自分の携帯電話にも、好きな音楽をダウンロードしていたようです。

しんどいのに、苦しいのに、悔しいのに、聴きたい曲があったら、流せばいいって言うんです。

もう、おとん話さなくていいよ。酸素ボンベを付けて少しでも楽な体勢になりって。

何をしていても苦しいのです。
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