私の風

マック

席をとって
おいてくれた
二人のもとに
重い足取りで行く。

「コーラちょうだーい！」

「沙鵺ちゃん。ありがとう。」

二人とも
嬉しそうに
飲み物を
受け取った。


「で？一体何なの？」


さっそく
質問が来た。


「いやー…。なんていうか…。」

「どこで会ったの？」

「ああ。それは私さ、たまにサーフィンするじゃん？
それで昨日サーフィンしてたら会ったの。」

「サーフィンか…。」

「うん。ただそれだけの知り合いだって！」


美奈が
探偵みたいな
真剣な顔をする。


いや、
探偵を見た事は
無いけど、

なんか私の
隠してる事を
暴いてやるって
顔が、

相当
本気な
顔つきだったから…。


桜まで
真剣に私を
見つめている。



困ったなー。




「だって…男の子なんでしょ？
…今まで男に興味すら無かった沙鵺ちゃんが…。」

「そうだよね。なんか怪しいよね。」

「いやー…。なんか説明が難しいんだけど…。」

「沙、沙鵺ちゃんは、その人好きなの？」

「好…？！」

「桜もそこが気になるか。私もだよ。どうなの？」

「美奈まで…。だから、違うんだって！」



なんか
あわてる。



だって次元が
違う。



そういう
好きとか、
嫌いとか
じゃない。



「なんていうか…。」



「なんていうか？何？」


美奈が身を乗り出す。






遠くで、
波の音が
聞こえた。