私の風

3人のサーフィン

ちっ。


しばらく自由に
泳いでいようと
思っていたのにな。

そんな挑発うけちゃ
黙ってるわけには
いかないだろ。


無意識に
腕を後ろに
伸ばす。

ボードが
肘の辺りに
触れる…


と同時に、


サーフボードに
豪快に乗り込む。


そのまま、
波の小さな斜面を
捕らえて

少しずつ
スピードを
あげていく。


海もそれに
答えるように
俺のボードを
ぐんと押してくる。


あいつ…。


なんて
身軽さだ。


踊るように
波の上を
滑っていく。


俺も本気になり、
沙鵺の背中だけを見て、
追っていく。


ただ、俺の
大きいボードは
高い波の方が
得意だ。


なかなか
追いつけない。


「沙鵺!」


後ろから大声で
呼ばれた。

びっくりする。


「弥…月…?」


一瞬気を緩め

振り向くと
目の前に
弥月が迫っていた。


「うわぁ!」

「捕まえた…。」


ガッと
肩を抑えられ、
そのまま弥月と
一緒に

海の底へと
沈んでいった。
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