太陽はいつも雲の上で照り輝いている
入院四日目……

容態は、断崖絶壁を転げ落ちるかのように、その猛威をふるう渦の中に吸い込まれていった


『お父さんの血液の80%は、すでに癌化し、入院当初でも、それに値する数値でした……今は、もう……手のほどこしようが…ないのです』


……あまりにも、あまりにも

四日前の、お父さんの言葉が現実になるには、僕は信じる事はできなかった

三人の涙は、見れなかった拭えなかった…


『かつくん…それぞれ、辛く、やり場のない気持ちで苦しいやろ…だけど、かつくんに必要なのは、諦めない事やないと思う。諦めろとは言わないけど、残される母を守る準備もしないとあかんのやで』

『わかってるんや風ちゃんわかってるんやけど……涙が止まらへんのや』

『かまへん泣いたら・僕もお父の時は、止まらへんかったよせやけど、僕は準備できなかったんやで、一緒で逝ったから死は誰でも簡単にすませるもんやない、何が良くて悪くてはないよ。だけど、僕とかつ君は男だから守らなければならないものはあるんやでかつ君はお母さんを僕はまゆとお母を』


『わかったよ、風ちゃん今は泣かせて』

痛いくらいに、突き刺さる心情に僕は
空を見上げて
何度も何度も

太陽に手を伸ばした…
お父の姿を見ながら
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