まほろば【古代編】
最初に訪れたのは陰の気配。

だが、そのモノはまだ力が解放されていないようだった。

逆にこちらの気配に毒されてしまい、近づくことすらできない。

ただ、そのモノの意識は常にこちらに向けられていた。

必死に自分を今の状況に陥らせた原因を探ろうとしている。

だけど、そのモノの気力の限界なのか、しばらくするとプツリとその気配が途切れた。

やはり、あのモノにはまだ荷が重過ぎるのか……。

その少し後に、愛しいモノの気配が近づいてきた。

先ほどのモノとは違い、何も躊躇することなくこちらに近づいてくる。

久しぶりに感じる暖かい気配。

自分の中に眠る感情が解き放たれるようだった。

自分のすべきこと、自分の創造主が願ったこと……。

あぁ、やっとこれで使命を全うすることができそうだ。
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